「えへへー! これななちゃんに絶対似合うと思ってたんだー」
「そ、そうですか?」
あたしは今自分の部屋で美恵子さんと話している。
あの後刃とはお互い一度も言葉を交わさずに小屋に通じる道を出た。
家に入ると女物のヒールがあって、キッチンから音が聞こえ行ってみると、
「刃、ななちゃん久しぶり。 有休で帰ってきたよ」
と数ヶ月振りに会う美恵子さんと再会した。
「まだ食べてないと思って作ろうとしたけど……この麺はなぁに?」
麺と麺がくっついて塊となった物を指差す。
「ななの失敗作だ」
「!」
そこまで言う事が無いのに!
言い返そうとしたが、
「母さん、俺昼飯いらないから」
刃は部屋に戻った。
「……」
目も合わせてくれなかった……
泣きそうになってくる。
「ななちゃん」
「! は、い」
見ると美恵子さんはニコッと笑って
「食べよっか」
「……はい」
あたしは席に座り美恵子さんが作った昼食を食べて、
そして今に至る。