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「……暑い」
家の中から出た瞬間に熱気が襲いかかってきた。
刃が開けたままにしたのだろうか、そこからルナは逃げ出したのだ。
……。
このままだと熱射病になってしまいそうだ。
「……よしっ!」
あたしは意を決意し、外に飛び出した。
――ミーンミンミンミン……
蝉の声が響く森の中、あたしは走り回る。
ニャー
「……あっ!」
一匹の黒猫が森の奥へ消えていく。
「……ルナ!」
あたしはすぐに追いかける。
しかしながら、
森の奥に何があるんだ?
追いかけながら疑問に思う。
いつもとは逆方向でその道がある事すら今まで知らなかった。
それに、その方向はいつも満月の夜に現れる怪盗が去っていくのだ。
まさか……
イヤイヤッ!
その思考をすぐに消去する。
「!」
あたしは森を抜けて立ち止まった。


