中学での最後の夏休みがやってまいりました。


「……あー……」


あたしは宿題に手をつけられずベットの上に寝そべっている。


まぁ、日差しは森が遮ってくれるからそんなには暑くは無い。


問題は、


――ミーンミンミンミン……


蝉の声だ。


「……」


――ミーンミンミンミン……


森の中だから窓から見える範囲でいるわいるわ……


まるで夏の大合唱だ。


――ミーンミンミンミン……


――ブチッ


「だぁーー! もう静かにしてよ!! うるさぁーい!!!」


あたしは堪えきれず窓から身を乗り出して大声で叫んだ。


「……ななの方がうるさいぞ」


――ガチャ


呆れたような声を上げた。


「……ごめん」


刃の方を見た。


「……なんで制服姿なの?」


たしか榎本第一も今日からだったはず。


「生徒会があるんだよ」


「……頑張って」


「他人ごとのように言うな」


刃は溜め息をついた。