気づいたら俺は走り出していた。


そして変質者の頭に跳び蹴りをくらわせた。


――ガッ


足に確かな手応えを感じる。


変質者はというと変なうめき声を上げ数メートル先の地面に落ちた。


「……刃」


その声でななを見た。


微かに目が潤んでいる。


初めて見る表情だ。


「……刃!」





――ゴンッ


……あ。


「いっ!!」


抱きついてこようとするななに驚き思わず手刀をくらわせてしまった。