そこには荒く肩を上下させているななと、動かない黒ずくめの人。


気のせいでは無かったな。


というか、あれはまさかの変質者……か?


――カチカチッ


「すいません、変質者を見つけました。 場所は――……」


警察に通報した。


俺的には本当はしたくなかったが、今の状況では仕方がない。


ななは携帯持ってないもんな。


携帯に電話した後、しばらく様子を見ていた。


変質者が動かないのを見てどうするか悩んでいるのだろうか、ななはその場でウロウロしている。


……。


その場から離れた方がいいと思う。


「……迎えに行こう」


その時だった。


変質者が起き上がりななを壁に押し付けたのだ。


「!」


ななは逃れようともがいていたがどうもできないらしい。


変質者の顔を近づけている。


まさか……!?


「っ!」