「俺が来なければどうなってたかわかってんのか!?」


刃が怒ってる。


「……えと」


なんと言えばいいのか分からずしどろもどろとなる。


「相手を倒したんならまず逃げろよ!!」


「……ごめんなさ……」


…………ん?


ちょっとまてよ


「なんであたしが倒したのわかってんの?」


「……」


刃はそこでしまったという顔をしている。


……。


「まさか、ずっと見てたの?」


「……」


黙らないでよっ!


「認めるのね」


視線をあたしからそらし、


「……いや、半分くらいしか見てない」


「見てんじゃん!」


しかも半分ってどこからどこまでなんだよ!


――ファンファンファン


「……サイレン?」


「その間に警察呼んでた」


刃は視線を上へ向けて、


「警察呼ぶ前にななを助ければ良かった。 悪かった」


「ううん。 結果的に助けてくれたから…ありがと」


ムギュッと刃に抱きつく。


刃は何も言わなかっけど、手を頭に乗っけて撫でてくれた。