「あがっ!!」


変なうめき声、音と同時に両腕を掴まれた感覚が無くなった。


「……?」


恐る恐る目を開けると不思議な光景が……


変質者が吹っ飛んでいる。


「!?」


そしてスローモーションのようにゆっくりと地面に落ちた。


――ドサッ


それっきり変質者は動く事はなかった。


「……あ」


変質者を吹き飛ばした男があたしの前に立っている。


黒髪にキレイな顔立ちの青年。


「……刃」


あたしの声に反応し刃は向き合う。


「……」


「……刃!」


あたしは叫んだ。


そして刃の胸に飛び込もうとして……


――ゴンッ


「いっ!!」


頭を手刀で殴られた。


「……何やってんだよ」


「え?」


頭を押さえながら聞き返した。