「ななちゃん、大丈夫かい?」
「うん、たくさん泣いたから少しスッキリしたかも」
「そうかい。ところで……」
おばあちゃんは言葉を濁した。
「……何?」
「……この後のことはどうするつもりかい?」
「あぁ……」
何も考えてなかった。
このまま家に帰ると、1人になったという感覚が強くなるかもしれない。
実際、あたしは何日も学校に行ってないのだ。
「おばあちゃんの家に来るかい?でもそうすると転校することになってしまうけど……」
転校……?
「ちょっとそれはやだな。あたし、今の生活に何も不満持ってなかったし、それに……友達と離れ離れになりたくない」
「確かに無理して家にわざわざ転校してまで来ることはないしねぇ」
「……おばあちゃん」
「でも一人暮らしをすることになるんでしょう?大丈夫かねぇ、十五の孫が一人暮らし……やっぱり心配だわぁ」
「……」
どうしよう、このままだと、「私もこの町に住む」と言いそうだ。
そればかりはなんとかしないと……
「そのことなら私に任せていただけないでしょうか」
「「……?」」
振り向くと一人の女性が立っていた。


