「ま、まぁね……」
利子ちゃんが言葉を濁したのと同時に、
「ハハハッ、確かに!」
笑い声が……
「!? 誰かと思えばアンタか!!」
振り向くとそこには一人の男子が、
「鹿野、アンタいい加減にしたら」
利子ちゃんは呆れ半端に言う。
「そうだよ! 鹿野君がななに勝った所見たこと無いよ」
ちーちゃんは笑っている。
「二人黙れ。 確かに俺は数田と同じく元柔道部だが……」
「それなのに一向にあたしに勝ててないじゃーん」
あたしよりも身長、体重あるのに……
「数田、遮んないでくれ」
「分かったよ。 それより何? また勝負するの?」
「あぁ、数ヶ月振りだ」
その言葉を聞いた二人は、
「みんな、久々に始まるよ!」
「急いで準備!」
クラスメートに言う。
それを合図に机、椅子を黒板側に寄せて、広いスペースを作った。


