「聞いて損した!」
ワザとらしく溜め息をついた。
「ちーちゃん~!」
「大丈夫大丈夫」
ちーちゃんはよしよしと撫でてくれた。
「知子、甘やかしたらアカン」
「利子、キビシー」
そう言いながらもちーちゃんは笑っている。
「ななそれより、刃さんとは進展あったの?」
「! そ、それは……」
「……無いのね」
利子ちゃんは溜め息をまたついた。
「利子、幸せ逃げるよ」
「不幸になったらななのせいだから」
「!?」
なぜそうなる!?
「まぁ、刃さんとの関係をどうとかは置いといて、なな帰りはどうすんの?」
「帰りって?」
「変質者が出たらしいから一人で帰るなと言ってたよ」
「大丈夫だよ! 一人で帰れる」
「本当に!?」
「うん。 あたし強いの知っているでしょ?」
ムキッと筋肉自慢の男のポーズを真似る。