そして今はお寺で葬式が行われている。
親戚の人達が行き交う中あたしはお寺の死角となる場所に隠れてうずくまって泣いていた。
両親の突然の別れと場の雰囲気に耐えられなくなったからだ。
「――……ななちゃん」
「っ!?」
ビクッと身体反応し、恐る恐る後ろを振り向くと、顔見知りの人が――
「……おばあちゃん」
「こんなところでどうしたんだい?ななちゃんが突然いなくなって心配したよ」
「ごめんなさい」
あたしは立ち上がろうとした。
「いいよ。私より辛い思いをしたものだからねぇ。ここで気が済むまで泣きなさい。泣き止むまで私がそばにいてあげるから」
「お、おばあちゃ…っヒック………」
あたしは再び泣き出した。
その間でもおばあちゃんはそばにいてくれて、あたしの背中もさすってくれた。
……温かい。
そう思うと涙がまたあふれた。
しばらくの間あたしは気が済むまで泣き続けた。


