〈刃side〉

――ガシャーン


俺は回し蹴りで窓を叩き割った。


防弾ガラスじゃなくて良かった。


「しかし、やるなぁ」


ルナはというと、数人の警官相手に逃げ続けている。


さて、さっさと済ませますか。


俺は数メートル位の高さから飛び降りる。


――トッ


「怪盗ソウドだ!!」

「捕まえろー!」


数人の警官が迫ってくる。


「相手になんねぇ」


ニヤリと笑い飛んでかわす。


だが少しの犠牲も必要。


「あだっ」


「グエッ」


何人かの顔を踏みつけ、狙うはダイヤのもとへ。


――バッ


勢いよく飛び、ダイヤの入っている容器へと右手を振り下ろす。


――バリーンッ


割れた手応えと共にダイヤを得た。


「キャアアアアアッ」


溝口美空の悲鳴が店内中に広がる。


……歓喜が混じっている?


「ソウド様ぁ」


溝口美空はなぜか顔を赤らめていた。