猫が俺の肩を飛び越えるのと同時に頬に小さな痛みを感じる。


「いってぇ……」


頬を触ると小さなミミズ腫れができていた。


猫に引っかかれたと実感する。


「大丈夫、か?」


キカイが恐る恐る尋ねた。


「あぁ」


「けどさぁ、顔に傷ついたぞ」


「こんなの、数日で治るわ!」


そう、俺の家は顔に傷がつく事は御法度なのだ。


だから、外での運動や、犬猫に触る事は禁じられていた。


それでも俺は親に隠れてやっていたけど……


はぁ……


――ガシャーン


「!?」


割れた窓から白き怪盗が現れた。