「……」


「…………え」


幻、聴?


ニャー


……じゃなかった。


見ると一点の角に黒猫が座っていた。


「美空さん、飼い猫とかは………?」


「おりませんわよそんなの!! だいたい、私猫は嫌いですわっ!!」


「じゃあなんで……ん?」


――ポンッ


「真琴、ヨロシク」


「はぁっ!?」


「俺、猫アレルギーなんだよ!」


よく見るとキカイは顔を真っ青にしてガタガタと震えている。


「分かりましたよ。 "仮"警部!」


小さく舌打ちをして黒猫のもとへゆっくりと近づく。


ゆっくり、ゆっくりと……


「よ、よしよーし……」


実のところ俺も猫に触った事が無い。


別に嫌いって訳ではない……


ただ……


ニャッ


「!?」