しかし、有り得ないだろ。


俺、ここに来る前に何メートル先の建物を飛び越えたりしたんだぞ?


……あぁ、


俺に懐いてんだな。


そっと膝にすり寄ってきた猫を抱きかかえる。


仕方がない、今回だけは……


「力、貸してくれるか? ……"ルナ"」


それはななが名付けた。


いい名だなと思う。


ニャー


ルナは嬉しそうに鳴いた。