「なぁ、旬!!
お前、こないだ言ってた好きな子のこと、詳しく聞かせろよ〜。」



中学に入って仲良くなった相田が旬にそう話しかけてくる。



旬は相田に好きな子の話をしていたことを忘れていて、急に聞かれて驚いた顔になった。


旬が文句を言う。

「な、なんで教えなきゃいけねぇんだよ!!
もう教えねぇっつの。」




「じゃあ、俺の好きな子のことも話すから〜いいだろ?」




「よくねーよ!!」





旬はそう言うと、相田を振り切るように席を立つ。


「頑固だなぁ、旬は。そんなに倫ちゃんが大事かな。」



相田が旬に聞こえないようにつぶやいた。