「兄貴の目的は、今日の僕を止めること。」
はぁ?
「兄貴は、前の弥生姫を知っていた。
そして今も弥生姫の正体、知ってるね。
どうせ、兄貴は弥生姫にでも忠告しに来たんだろう。
ここに来るなとでも。」
・・・あ。
まさか私のため?
だから制服じゃなくて、しかも窓から・・・。
「けど無駄だよ。
きっと彼女はここに来る。」
「・・・来ねえよ。」
「来るよ、きっとね。」
その時の翔二の声は顔が見えなくても
どんな顔をしているかが思い浮かんだ。
悪い事を思い浮かんだ、悪者の。
そしてそれを娯楽のように感じていることも。


