「おはよう、朝だよ」

カーテンから差し込む陽光を逃れるように寝返りをうつと誰かに体を揺すられ、ゼファは目を覚ました。


「・・・何」


「じゃないよ。もう朝だから、起きて」


体を揺すった相手、ジュンクは言うと壁越しにクォーツを起こす。ゼファの部屋とクォーツの部屋の壁は薄いため、そんな扱いも出来るのだ。


「ほら、クーォも起きて」


壁越しでも、もぞもぞと布団の動く音が聞こえる。


「どうせクーォのことだから、『あと5分待って』とか言うんでしょ。わかってるんだからね」


んー・・・、まるで動物の唸り声のような気の抜けた声が聞こえジュンクは嘆息する。見るに見かねたゼファは外套を羽織ると扉へ向かった。


「起こしてくる」


「うん、行ってらっしゃい」


こうして今日も、彼女達の騒がしい1日が始まった。