(・・・junk……zephyr・・・quote…………)


逓信所から聞こえる《ノイズ》でクォーツは目を覚ました。窓からはまだ月明かりが零れ夜の静けさが辺りを包んでいる。


「……ゼファ、いるかな」


ベッドから降り、隣室から聞こえてくる音に耳を欹てる。


「・・・ゼファ、いる・・・」


部屋と部屋を隔てる壁は薄く、ふたりはよくこうして話していた。


「……いるよ」


暫く間が空いて聞き馴れた声が響き、クォーツは安心の息を漏らした。


「よかった……、・・・ねぇゼファ、そっちに行っていい」


考えるような声が聞こえ、いいよ、と返ってくる。クォーツは上着を羽織り、扉へと向かった。


扉を開けようとノブを回すと、クォーツが開けるより先に扉が開いた。


「クォ」


扉を開けたその人物は微かに微笑むとクォーツを抱き締めた。そのまま髪に口付け頬擦りする。


「擽ったいよぅ……」


クォーツは身を竦ませ負けじと相手に擦り寄ると口付けをした。


「ちょ、クォ・・・」


ふたりで抱き合い、床に倒れる。そうして暫く身を寄せていた。