オープン当初から、多くの家族連れやカップルで賑わい、休日になると「満員御礼」のバルーンが上がって、エントランス前の広場に大きな恐竜のトランポリンが現れたり、長い竹馬に乗ったピエロが闊歩したりと様々な催しがなされていた。 平日でもちらほら人の出入りが見えた。 いつでも一定の宿泊客を確保しているようだった。 ポニーテールの女とその男を見かけたのは、丁度ホテルの一周年記念祭が始まった日だった。 その賑わいから程なく、ホテルが廃業に追い込まれようとは、誰一人考えていない頃の事だった。