夢だ。夢だ。

あれはぜーーんぶ夢。

じゃあ、どうしてわたしは今空港にいるの??

どうして、お母さんは泣いているの??

そして、わたしの隣にはなぜ、鬼瀬君がいるの??

「うぐっ・・・ひより、元気でね。なるべく帰ってくるようにはするから。」

涙でぐちゃぐちゃの顔でお母さんが言う。

「竜我くん。うちの、ひよりをよろしくたのんだよ。」

お父さんがわたしの隣の鬼瀬君に言う。

「はい。」

“はい”じゃなぁぁぁぁぁっぁぁい!!!!!


あの爆弾発言から、もう1週間が経っていた。

いまから、お母さんとお父さんはアメリカに行く。

そして・・・。

鬼瀬君とわたしの2人だけの同居が始まる・・・。

家に帰ったら、鬼瀬君と2人だけ・・・。

「じゃあねっ!ひより、竜我くん。元気でね~仲良くするのよぉ~」

お母さんが腕がちぎれるくらいの勢いで手を振る。