「羚から逃げるための口実だったの」 「羚?」 そっか、宮杉は知らないんだっけ? 「私と一緒にいた男子」 「なるほど」 納得したのか宮杉は小さく頷いている。 それにしても中庭は人が結構居るのね。 決して多いとは言いがたいが それなりに、ちらほら人がお昼を食べていた。 「 … 中庭人がたくさん居る。屋上にしようよ、凪」 「は?」 確かに見れば分かるよ。 人が多いことぐらい。 でも食べる場所はまだあるじゃん。 「空いてるよ?」 「俺が嫌だ」 … 子供か、こいつ。