「みんなさぁ、刺激がなくて毎日つまんないんだよ!
あの演説はかなり斬新で刺激的だったからさ、みんな沙奈江に期待したんだよ!」

「絶対違うっしょ!単なる悪ノリでしょ!だってみんな、掲示板見て爆笑してたもん!」

「そんなことないってー!亜紀みたいな子が生徒会入ったらさ、学校に革命が起こりそうじゃん!?
今年は一味違うぞ、ってな感じで!」

「あー…もーほんと無理。私、一回も生徒会の会議には出ないわ」

「村越さん」


私がグチグチ言っていると、背後から声をかけられた。
振り返ると、そこに立っていたのは…


「た、瀧澤……」


生徒会長だった。


やばい。

今の会話聞かれてたかも。

そもそも瀧澤は、私のあの演説を聞いてすごく怖い顔をしてたし。

どうしよう、なんか怒られるんじゃ…!



「当選おめでとう。これからよろしく」

「……へ?」


瀧澤はにっこりと笑って、私に手を差し出してきた。