「梶野くん、梶野くーん」

「………」


さっきから何度も声をかけてるのに、全く返事がない。


どこか一点を見つめている様子で、だんだん不安になってきた。



「梶野くん、梶野くん」


ちょんちょんと彼の洋服を引っ張ってみた。


すると、我に返った様子で立ち止まり、こちらを見てくれた。



「どした?」