「たぶんね。だってあの時、あたし……」 「休日仕様だったんでしょ?」 「うん、だから全然気づいてないよ」 「そりゃ、そうだ。若菜って学校にいる時と、休日じゃあ全然違うもんね」 たぶん、梶野くんは気付いてないと思うから。 だから、あの時のお礼も言えないまま。 いつか言いたいなって思ってるのに、言えない。 だって、まさかあたしにあんな趣味があるなんて思ってもみないだろうから。