♪ピンポ~ン あっ、来た...! 「凜~、来たよ~?」 下からお母さんの声がする。 「よしっ」 私は自分の頬を両側からパンッと軽く叩いて自分の部屋を出た。 玄関で靴を履くとき、 「ふふっ、楽しんで来てね♪」 とお母さんが言った。 あれ?お母さんに春のこと言ったっけ? 何で、知ってるんだろう? そんなことより、春、待たせてた! 「んじゃ、行ってくるねっ」 私はお母さんにニコッと笑って見せて、玄関を出た。