「ていうかアオイくんのおじさん、カッコイイねぇ」



正座してしびれかけていた足を崩しながら、あたしはほとんど無意識に呟いた。

するとアオイくんが、今まで見たことのないような顔で、無邪気に笑う。



「そうでしょ? だから俺も、あの人の手伝いができたらって、思うんですよ」

「──ッ、」



その、いつもは大人びている、アオイくんの年相応な笑顔に。

不意打ちを食らったあたしの心臓は、どきんと音をたてた。


……コラコラ、由宇!!

目の前の男の子は、仮にも年下だぞ~~!!


一瞬感じたときめきを誤魔化すように、明らかに不審げな眼差しを向けてくる彼の前でぶんぶんと頭を横に振った。

はーっと1度、深く息を吐く。


……だけどこのアオイくんに、そんな過去があったなんて思わなかった。

おじさんがお話しに来てくれなかったら、今のアオイくんはいなかったんだね。



《だから俺も、あの人の手伝いができたらって、思うんですよ》



ていうかそう言えるアオイくんも、かなりカッコイイと思うけどなあ……。