遠くでまなみんと川村くんが



並んでしゃがみながら



きっと線香花火をしてる




あたし達も後でしよう






「…こうゆーのかな」



ふと



須嶋くんが言った




「何が?」



「幸せ」





波が打ち寄せる音



冬の海が綺麗なことは




「俺、今幸せだよ」



知っていた





「…あたしも」





やっと



本当の幸せを




気づいたの



あたし達が決めたの



自分たちで




これが





幸せ






「ゆきちゃん」



また彼に



その呼び方で呼ばれることの




幸せ




ぎゅっと



抱きしめられることの



幸せ





そして




「好きだよ」



「……うん…」




幸せ




キスをした