王子様と恋したい



「はぁ〜〜〜〜」



長いため息をつく潤。
かず兄はしばし無言。




すると潤が再び鬼の形相に戻って、わたしに近づいてきた。



「夏希?お前わかってるよな?…お前は龍月の総長であり蝶月だ。ましてや、他のチームの姫をやるなんてもっての他!!!……自分の立場わかってんの?」





潤の冷たい瞳がわたしを射す。
これは本気で怒ってらっしゃる…



「ごめんなさい…」



すると再び潤のため息。



「あのさぁ、謝るなら今すぐ姫をやめてこ『ちょっといいか潤。』




かず兄のドスのきいた低い部屋が部屋に響く。



「なぁ、夏希。俺はお前が龍月を大事にしてんのも、中途半端な気持ちで総長やってないのも知ってる。なんか訳があるんだろ?」



兄の落ち着いた声で少し冷静になったわたしは、絡まれて龍炎の総長に助けてもらったこと、そこで倒れて倉庫に連れて行かれたこと、その場面を他の族に見られて噂が広まってしまったこと…



__すべてを話した。



すると兄はしばらく黙り込んで、再び低い声で話し出した。