どっちいったんだろう・・・・



何も考えずに走ったから、俺は彼女を完全に見失っていた。




「はぁ~・・・バカじゃん、俺。なにやってんの・・・・」






今頃、みんな怒ってんだろうな。



勝手に抜けたくせに、あの子も見失って。




俺は疲れて近くのベンチに座り込んだ。






・・・・・ポトン。




「ん?」




手を見ると、水滴が落ちていた。



何だ??


そう思った瞬間、雨がいきなり降り出した。




「マジで・・・」



俺は、急いで屋根のある店の前に立ち寄った。




つくづく良いことない・・・。



俺は寒さと闘いながら、雨が止むのを待っていた。