「指切りしよう。」 突然、ユウが私に言った。 意味も分からずに、 「うん。」 指切りをした。 「何の約束?」 私が聞くと。 「ないしょ。」 そう言って笑う。 いつもの笑顔に、 深い意味はないということを感じて、 「そっか。」 あっけらかんと返した、 中3の夏。