「えっ?ちょっ…」


な…何?
こんなところで、急に…

戸惑う私をよそに、徐々に近づいて来る龍ちゃんの顔。

うわぁっ。

思わず目を閉じれば…


「…ついてる。」


……へっ?

小さな声が聞こえた直後。

ふっ、と。
触れたのは、龍ちゃんの指先で…


「やっぱ、コドモだな。」


目を開ければ、アイスのついた指をペロッと舐めながら、不敵に笑う龍ちゃんがいた。


「何?キスでもされると思った?」

「……っ!」

「あいにく、人前でする趣味はないから。」


もうっ!

カァーッと顔が赤くなるのがわかった。

顔にアイス付けて、キス待ちしてたなんて…

恥ずかしすぎるっ。


今度こそ。

龍ちゃんから思いっきり顔を背けてアイスだけに向き合った。


食べ終わるまでは、龍ちゃんのほうを向かないようにしよう。うん。

そう決めて、大きく口を開けた…瞬間。


「でも…」


なぜか掴まれた肩。


「そっちのアイスの味見はしてみてもいいかも。」

「へっ?」

「都合よく、誰もいなくなったし…」

「何言って…んっ!!」