「兄貴こそ、ほんとは行かなきゃならないとこがあるんじゃねーの?」 クリスマスイブだよ? と、にやっと笑う克己に、苦笑した。 どうあっても女が居ると言わせたいらしい。 好きかどうかは置いておいて。 「なら、宇田川んとこにでも行くか。友典にプレゼント持って」 いるかどうかは、知らないが。 「ああ、宇田川んとこの奥さん、綺麗だもんなぁ」 運ばれ注がれたシャルドネ種のワインを、流し込むように飲み干し、克己は笑う。