「兄貴は食わないのかよ?」 チコリにうまくサーモンを巻き付けながら、口を動かす彼は、凱司を兄と呼んだ。 「その食いっぷり見てるだけで胸焼けしそうだ」 「ふぅん、食わないなら、それ頂戴?」 髪は、黒。いや、脱色を繰り返した、根元の黒い金髪。 目も、黒。 そこにグレーのカラーコンタクトを入れている。 ぱっと見、明らかなる兄弟。 違うのは、凱司の金髪は地毛であるし、瞳も生まれ持った色であるというだけ。