佳代子のように、哲に恋して自信を無くしていく女は。 そのあと二人、いたけれど。 哲は、『セックスだけならしてもいい』に頷く女ばかりを、相手にした。 佳代子のように『実は本気』な女は。 飄々としてる中でも的確に人を見る哲には、面倒なだけの存在のようだった。 「…なぁ哲、お前、女、嫌いなの?」 「…好きだよ? なんで?」 俺の知る、佐伯哲也という男は。 長く付き合って来た俺にも、いまいち理解しきれないような、そんな、男。 だった、はず。 なのに。