そう言って、逃げるように準備室から出た。
出たらそこに蓮也が心配そうな顔で立っていた
「唯… 何言われた??」
「あとで話す…」
「分かった。」
こういう時、蓮也は自分からグイグイ聞いてこないから嬉しい…
そして、二人であのセンセーに見つからないように保健室に行った。
ーガラガラ…
「あ、由奈ちゃん、ちょっと唯に悩みがあるらしいから、ベッド一つ貸して??」
由奈ちゃんとは、蓮也の従兄弟。
だからよく保健室を貸してもらってる
「いいよ…今回は深刻そうだね…? なにかあったら言ってね??」
由奈ちゃんは蓮也に似て優しいから好き…
「ありがとう、 んじゃ、借りるね」
そう言ってあたしと蓮也は1番奥のベッドに行った
幸い、今 保健室にはあたしと蓮也と由奈ちゃんしかいない。
「蓮也… 由奈ちゃんにも聞いてほしい…」
由奈ちゃんは、あたしのお母さんがあのセンセーにレイプされた事とか、全部知ってる
「…分かった…」
少しして、二人とも戻って来た
ふぅー…
「あのね、蓮也と由奈ちゃんはお母さんがレイプされた事は知ってるでしょ?」
食い入るような眼差しで由奈ちゃんが見つめてきてる
「あの後ね、お母さんが警察に通報しようとしたの。センセーの前で…」
「そしたらね、センセーが通報するな!!って叫んだの… あたし、怖くて怖くて、ドア越しに泣いちゃった… お母さんの事助けてあげる事ができないんだって、悔しくて…」
あの頃の記憶が蘇って、いつのまにかポロポロと涙が流れ落ちていた
「お母さん、それでも通報しようとして… それで、センセーがとっさに台所に行って、包丁持ってきて…」
蓮也が優しく背中をさすってくれた…
蓮也、優しすぎだよ…
もっと涙出ちゃうじゃん…
「それで、センセーが包丁振り回して… お母さんがこっちに向かってきたの。 ドアを勢いよく開けられて、あたしが転んだの…」
「あたしが今までの事を全部知ってるって事に気づいたセンセーは、最初に転んでる私を殺そうとしたの…」
「包丁があたしに向けられたとき、お母さんがあたしの前に来て… お母さん、あたしを守ってお腹刺されたの…」
