隣にいても話す事もなくただあいつを見てるだけだった俺が


あいつに話しかけてしまった理由は


あまりに突然現れたあいつの変化のせい


別人かと思うぐらい薄くなった化粧に巻かれてないサラサラの髪


今までの濃い化粧ではわからなかったけど


少しキツくも見える大きな目が印象的で


胸の辺りまで真っ直ぐに伸びた髪が加野をさらに大人っぽく見せてる


『加野』


『…何?』


初めて俺に向けられた言葉は冷たいもので


『…お前なんかあった?』


『はぁ?』


ただ心配してやっただけなのに


何故かキレられてる


『なんかいつもと違くねぇ?雰囲気とか』


それでも負けずに話し続けた俺に


『てゆうか、あんた誰?』


なんとなくわかってた言葉を告げる


やっぱり悔しい気持ちになった俺はわざとらしい笑顔を作って加野に言ってやった


『お前おもしろいな』


やっぱり今まで俺が見てた加野はどっかで無理してて


今の加野が本当の加野なんだろうな