「うーん…」

聴診器を胸に当ててみると
ドクンっと一定のリズムを刻む心音が聞こえた。
意識不明で目を覚めない薫君…

「どうなんだよ水野!」
「何とも言えないよ…
目を覚ますかすらわからない…」
「なんだよそれ!!!」
「最悪の場合死だね…」

ダンッと壁を叩き、
千佳花が悔しそうな顔をする

「僕が…定期的に会えていれば…」
「千佳花…」

千佳花と薫君を離した事によって
薫君は過去がフラッシュバック…
そのショックで夜、
千沙斗さんの家を抜け出し、
千佳花の家に向かおうとした所
信号無視をしたトラックに引かれた…
頭部への衝撃が酷く、
目覚めたとしても記憶喪失、後遺症
そう言ったものが残るかもしれない…

「薫…」

千佳花は薫君の名前をずっと呼んで
手を握っている。

薫君が意識不明になって一週間…
これからずっと
目覚めない可能性だってある…

「水野…」
「なに…?」
「薫と二人になりたい…部屋をでろ…」
「わかったよ…」

相当心配なんだね…
薫君の事が…