「琉良は高校卒業と同時に倒れたんだ
大学は合格だったのに…
一緒に行こうって言ったのに…
神様って意地悪だよね…」

願いは叶わなかった…

「でも琉良は最後に最愛の娘と息子を
残してくれたよ…」

「自分が死ぬってわかっててですか?」
「きっと…そうだね…わかってて
生んだんだ…」

薫も…無理してるのかな…

「最後は医師も
琉良を自由にしてくれたよ、
もう退院してもいいですよって」

「…」
「琉良は…幸せだったって…」

幸せ…

「無理矢理から始まった恋が互いに本気になって、結婚して…子供生まれて
俺も琉良も幸せだったよ」

咲夜さんは…僕の顔を見た。

「君にも大事な人がいるなら、
その大事な人を
ちゃんと幸せに導いてあげるんだよ…」

どこか暖かくて優しい声を発する咲夜さん

僕が薫を守る。
薫の幸せを想いながら…守る…

でも絶対に壁ができる。
色んな事を乗り越えて幸せが見えてくる
咲夜さんは、そう言いたかったんだろう

「はい…でも…」

「「束縛はし(ます)ちゃうよね?」」

ははっと二人で笑い
僕は、光という人に呼ばれたので
水野の元に戻った。