僕も…家族に恵まれていたとは言えない

子供の頃から、両親には後を継げと
佐賀財閥の跡取りとして厳しい勉強をさせられた。

許嫁もいたが、許嫁には反対して
薫を想ってきた。

だけど、もう中学に上がる頃には
高校の問題ができていたから
中学の内容なんて学ばなくても分かった

その為、100点を取っても褒めてはもらえなかった。

甘えたい時期を逃したって訳だ…

「どうした?」

「薫は…
どうしたら笑ってくれるんだろう…
ってね考えてたんだ…」

母親は、高校に入ったと同時に
急に甘くなって、

でも既に甘えたい時期を逃した僕は
母親の愛情に気づけず…
母親はそのままご臨終

泣も喚きもしなかった
それこそ薫の様に無表情で
母親の最後を見た。

でも、これだけは覚えてる。

「父さん…僕が後を継ぐから…
頑張るから…
薫と会ってもいいでしょ…?」

父さんは納得しなかったけど
その場の雰囲気で渋々裏切られた部下の息子と会うことを許してくれた。