「やっぱり顔色悪いな…大丈夫か?」
「うん」

千佳花と話していると安心する。

「そういえばさっきの
質問の答え返してあげる」

「なに?なにか質問したっけ?」
「お前が生まれてきた理由だよ」
「ああ…」
「僕の為…じゃダメ?」
「えっ…?」

間抜けな声が出た。

「僕の為…
薫は僕の為に生まれてきたんだ…
じゃダメかな?」

千佳花は誰にも見られないように
俺を抱きしめる。

千佳花…
どうして…そんなに優しいの?

ちょっと束縛が強くて
嫉妬もするけど…

いつも最後はそうやって
抱きしめてくれたりする。

「薫…落ち着いた?」
「ん…」

千佳花はそっと俺を離した。
それと同時にチャイムがなる。