「でもねお兄ちゃん…」
「なに?」
「俺は…お兄ちゃんの弟…だよね?」

俺は泣きそうになっている守琉を抱きしめた。

「当たり前だよ…お前は大事な弟だ…」

そう言いながら、背中を撫でる。

「でも…
お兄ちゃんにはまだ表情が足りないね…
心配しているって分かってるのに…
顔は冷たい…」

俺は…表情がまだ作れない…

無表情って事かな…

心では思っていても…
やっぱり顔には出ないんだ…

「お兄ちゃん…明日には学校いくよね?」
「うん」
「じゃあ、途中まで一緒にいこ!」
「千佳花も一緒に…「だめだ」

えっ…?

「千佳花さんが一緒だと…やだ…」

ぷくっと頬を膨らませる守琉

なんでかはわからないけど…

千佳花とも一緒に登校したかったな…

「そういえばお兄ちゃんの部屋は?」
「あー…」

俺の部屋は…