千佳花sideー


守琉から知らせを受けた…
あの時、守琉に文句を言われたあの時
携帯の番号を無理矢理教えさせた。

「薫!薫!!!」

完全に壊れてしまった薫。
目が虚ろで多分何も見えてない…

肩を揺らしてみても…
顔を僕の方に向けても

薫は…無表情で…声も出さない…

「薫!聞こえているのか!薫!」
「………たぃょ…」


やっと話したかと思ったら

その言葉は

“死にたいよ…”だった。

「薫…」

薫と安全な場所に行かないと


「千佳花さん…お兄ちゃんを頼みます…
お兄ちゃんは俺と
別々に暮らそうって言ったんだ…
俺に伯父さんの家に行けって言ったんだ」

守琉も屋敷に連れて行きたい…が…
でも、薫の回復が先か…

「俺が…父さんの機嫌を取ります…
どんな方法を使っても…」

「いや…お前は伯父さんの所にいけ
それが薫の望みなんだろ!」

守琉は首を横に降った。

「父さんを“一人”に出来ません」

そういうと守琉はニコッと笑った。