「おーー立花さんだ。」予約もないのにフラッ立ち寄ったのか?

「こないだ来たでしょ?マミ・・・瀬田マミ。」

僕は、名前を聞いただけで赤面してしまいそうだった。

「来ましたよ。立花さんからこの店紹介してもらったみたいで・・・なんか・・・ありがとうございます。」

立花さんは苦笑していたが、

「あの子・・・面白いでしょ。モデルよりはタレント向きな気もするけどね。」

「しばらく、構ってあげてよ。」・・・・立花さんはそういうと

差し入れなのか・・・アイスコーヒーを僕に渡すと

颯爽と階段を駆け上がり、街へと消えて行った。

「・・・もっと聞きたかったことはたくさんあったのに。」

僕は、立花さんからの言葉を胸に。

「ますます、謎めいているマミ。」

その決戦はとうとうやってくる。

午後のお客を待つ時間に

1本の電話が鳴った。



「あの~来週予約できますか? カットとトリートメントで。」

電話の声は少女のような・・・


もちろん最優先で予約を入れてしまう僕。


「では、来週。」マミはやっと来てくれるっていうのか。


こんな若い女性のリピーターは珍しく

僕にとってはこれは奇跡。

これを逃しては絶対にいけないって

その日からカレンダーを見まくってしまった。



「・・・うん・・・いい夏になりそうだ。」