始めに禁忌を犯したのは誰だったのであろうか


追い詰められた人類が手を出した禁忌は


吸血鬼あるいは人類の存続どころか

どちらも滅っせざらんとする程だった



真夜中

人が変わった様に動き出す輩

地上へ這い出すと他吸血鬼には目もくれず
貴族を狙い
噛み殺す


真っ赤に染まって帰り
朝を迎え

自分の姿に驚愕する


そんな日々が

幾日幾年と続いた



優は
そんなコトすらできなかった

吸血鬼を殺すに異族を使う


最早敵である彼に対する凌辱だと
そう考えた


正々堂々闘いたい


そんな想いを抱きつつ

異変に気付くのが遅れたのは
もしかしたら仕方がないコトだったのかも知れない