樋川の運転で、荻窪の八幡神社に向かった。



「…樋川…俺が貴様を護れる保証はどこにもないからな。先に伝えておく」


「一種の苛めですね。天狗かもしれない妖の退治に御堂少佐を行かせるなんて」



「…苛めね・・・陸軍にもある。上官が気に入らない下士兵を苛める…上官の苛めが原因で自害した下士兵を知っている…」



「…いつの時代にも苛めは存在するんですか」



「樋川貴様は椿の父親の秘書官、父上の秘書官を務め…今は…『特務』の事務官をしているが…貴様いったい…何者だ?」



成宮と同様に樋川も怪しい存在。



時が経つにつれ、その疑念は日に日に増していく。