東京ロマネスク~冷酷な将校の殉愛~《完》

「…無理矢理…貴様の貞操を奪った男が死ぬんだ。清々したと言え!」




「…私はそんな風に思えません…」



「黙れ…黙れ黙れ黙れっ!!」



征史さんは私を床に突き飛ばした。



私は勢い余って床に尻をつく。



「だったら、接吻なんてしないで下さい!優しさなんて見せないで下さい!!」



私は征史さんに手拭を投げつけて病室を出て行った。