海音は海沿いに走る国道沿いにある喫茶店だ。
ふらりと立ち寄る人、毎日の様に訪れる人、客層も様々だ。
店の裏口から出ると海岸に降りることが出来る。
建物の整備は大変だが、叔母夫婦から譲り受けた店に愛着がある。
ハルが自分で手入れし、リメイクした箇所はかなりある。
力が足りない時はいつもナリが手伝ってくれた。
力仕事はナリがいつだって引き受けてくれた。
スイーツ食べさせてくれたらいいから。
そう言ってやってくれるのだ。
ナリだって営業をやってるから、肉体的にキツくないわけがない。
自らの仕事を終わらせ、ハルが頼む日曜大工を引き受けてくれる。
そんな風にナリに依存してしまっている自分が嫌になる。
彼の好意を好きと勘違いして気不味くなったら、今後が困る。
そう思ってしまうのだ。
店にはハルが日常生活するスペースが2階に作られている。
生活スペースとはいえ、6畳一間しかない。
しかも、風呂がないためハルは近くにアパートを借りてそちらで生活している。
祭りの会場が店の少し先にあるため、早めに帰らなければ人混みに紛れなければならなくなる。
だが、仕事が終わったら店に来る、と言ったナリを無視出来ない。
19時前に店を閉め、とりあえずナリが来るのを待った。
手には最近機種変したばかりのスマホを持って。
カウンターに座り、アイスコーヒーを飲む。
(メールしてみようかなぁ。)
そろそろ人が溢れ始めている。
ナリが居てくれるなら多少の人混みはなんとかなる。
(えーと、仕事まだ終わりませんか?で、いいかな。送信、と。)
メールしてからボンヤリと海を眺める。
「あれ?何か光ってる。」
波打ち際辺りだろうか。
何かがピカピカ光っている。
裏口から外へ出ると、夏特有の熱気がハルを包む。
階段を降り、光る何かに近づいて行く。
「あれ?ナリ?」
「おう。ごめん、連絡忘れてた。」
ピカピカ光っていたのは、ナリが手にしていたスマホだった。
ふらりと立ち寄る人、毎日の様に訪れる人、客層も様々だ。
店の裏口から出ると海岸に降りることが出来る。
建物の整備は大変だが、叔母夫婦から譲り受けた店に愛着がある。
ハルが自分で手入れし、リメイクした箇所はかなりある。
力が足りない時はいつもナリが手伝ってくれた。
力仕事はナリがいつだって引き受けてくれた。
スイーツ食べさせてくれたらいいから。
そう言ってやってくれるのだ。
ナリだって営業をやってるから、肉体的にキツくないわけがない。
自らの仕事を終わらせ、ハルが頼む日曜大工を引き受けてくれる。
そんな風にナリに依存してしまっている自分が嫌になる。
彼の好意を好きと勘違いして気不味くなったら、今後が困る。
そう思ってしまうのだ。
店にはハルが日常生活するスペースが2階に作られている。
生活スペースとはいえ、6畳一間しかない。
しかも、風呂がないためハルは近くにアパートを借りてそちらで生活している。
祭りの会場が店の少し先にあるため、早めに帰らなければ人混みに紛れなければならなくなる。
だが、仕事が終わったら店に来る、と言ったナリを無視出来ない。
19時前に店を閉め、とりあえずナリが来るのを待った。
手には最近機種変したばかりのスマホを持って。
カウンターに座り、アイスコーヒーを飲む。
(メールしてみようかなぁ。)
そろそろ人が溢れ始めている。
ナリが居てくれるなら多少の人混みはなんとかなる。
(えーと、仕事まだ終わりませんか?で、いいかな。送信、と。)
メールしてからボンヤリと海を眺める。
「あれ?何か光ってる。」
波打ち際辺りだろうか。
何かがピカピカ光っている。
裏口から外へ出ると、夏特有の熱気がハルを包む。
階段を降り、光る何かに近づいて行く。
「あれ?ナリ?」
「おう。ごめん、連絡忘れてた。」
ピカピカ光っていたのは、ナリが手にしていたスマホだった。