成瀬はずっと掴めそうで掴めない存在だ。




お願いだから……
居なくなることだけはやめてくれ!!

綺麗で、俺なんかよりカッコいい性格で、いつも微笑む彼女が居なくなったら…



俺はどうなるんだろう?



「修、顔死んでるから」

「だろうな…」

俺の顔を覗き込んで龍が言う。

まぁ、そうだろうな…

「修が翔亜ちゃんを好きになるの、なんとなく分かる」

「なんでだ?」

「まぁ、二人が似てるってのもあるんだけど、何より翔亜ちゃんの存在感だろ」

「存在感?」

「短い間しか翔亜ちゃんとはいないのに今じゃ、一緒にいないのが有り得ない。それだけ俺らの心の中に入り込んでいるんだ」

確かにそうかもな。


「なるほどな」