「満月は大丈夫か」


「え?」



今日は車で太陽に家まで送ってもらった。


なんでもこれからは車で送り迎えらしい。


ちょっと贅沢だよね。



お礼を言ってマンションに入ろうとしたとき、太陽に声をかけられる。



「説教のこと?私は大丈夫だよ」



莉都の具合の悪さを説明したとき、朱雀爆笑してたなぁ。


あそこまで爆笑されるとかえって清々しい。



「本当か?無理はするなよ」


「うん。ありがとう」



私の頭を一回撫でて太陽は倉庫に戻っていった。





部屋に入りウィッグとカラコンを外す。



今日は早めに寝よう……



いくら耐性があるとはいえ、やっぱり怖いものは怖い。疲れるものは疲れる。



「そう言えば……今日、蒼介と会わなかったな」



もしかして、私に会うのが嫌だから学校に来ていない、とか?


倉庫にも来ていなかったし……



「まさかね」



考えすぎかな。




いくら私が嫌いでもそのうち来るだろうと思い、そのときはあまり深く考えなかった。



しかし、それからしばらく蒼介は学校にも倉庫にも姿を見せなかった。